この記事は、NetBSD Advent Calendar 2024の2日目の記事です。
Canon LBP3100というプリンターについて
Canon LBP3100というプリンターは。Canonの安価なwinprinterです。 私は2015年3月に5,580円で購入しました。 トナーカートリッジはしばらく前になくなってしまいましたが、2,280円でサードパーティーのリサイクルトナーカートリッジを買ったので、まだしばらく使えればと思っています。
LBP3100はwinprinterだと書きましたが、実際にはCAPT (Canon Advanced Printing Technology)というページ記述言語を受け付けてくれます。 ただ、単純にCAPTフォーマットのデータをLBP3100に送ったら印刷されるという訳ではないようです。
CUPSで印刷する準備をする
CUPSは、今はPrinter ApplicationというIPSを受け付けて独自のプリンターへ出力する仕組みを推進しているようですが、今回はこれまで通りのフィルターコマンドを 使ってみます。 今回は、CAPTをリバースエンジニアリングして作られたcaptdriver 0.1.4.2-GxBというのを 使ってみることにします。
captdriverをビルドする
まず以下のようにして、https://github.com/mounaiban/captdriver/tree/0.1.4.2-GxB からソースコードをcloneします。
$ git clone git@github.com:mounaiban/captdriver.git $ cd captdriver $ git checkout 0.1.4.2-GxB
その上で、以下のように実行すれば、ビルドできます。
$ autoreconf -fi $ ./configure $ make
こうすると、src/rastertocapt
というバイナリーファイルができます。
フィルタープログラムをインストールする
CUPSで印刷するには、フィルタープログラムとppdファイルが必要です。以下のようにインストールすれば良いでしょう。
# cp src/rastertocapt /usr/pkg/libexec/cups/filter # mkdir /usr/pkg/share/cups/model
ppdファイルは0.4.2-GxBブランチには存在しないので、以下のようにブランチを切り替えてppdファイルを入手します。
$ git checkout master # cp ppd/CanonLBP-2900-3000.ppd ppd/CanonLBP-3010-3018-3050.ppd /usr/pkg/share/cups/model
LBP3100で使うのはCanonLBP-3010-3018-3050.ppd
の方です。
印刷する準備をする
次に、必要なパッケージをインストールしておきます。 以下のようにすれば良いでしょう。
# cd /usr/pkgsrc/print/cups-filters # make install
cups-filtersは必須です。これがないと、captdriverはエラーになり利用することができません。
他にもCUPSを利用して印刷するプログラムが必要です。今回はpkgsrc/www/firefox-133.0を使うことにします。 (firefox-133.0はまだpkgsrc treeにcommitされていません。)
CUPS daemonを起動させ、プリンターを追加する
LBP3100はUSB接続しかないプリンターです。
Canon LBP3100をつなぐと、ulpt(4)として認識されます。
ですが、ugen(4)として認識されないとうまくプリンターとして認識されないようです。
/boot.cfg
に以下のように追記して、再起動後にultp(4)を無効化するように設定します。
$ cat /boot.cfg userconf=disable ulpt*
続いて、cupsdをNetBSD起動時に起動させるようにします。
$ cat /etc/rc.conf (snip) cupsd=YES (snip>
ここまで設定できたら、NetBSDを再起動させます。
プリンターを追加する
ウェブブラウザーでhttp://localhost:631/を開きます。Administrationを選択します。ログインが求められたらNetBSDへのログイン情報を入力します。
LBP3100とNetBSDマシンをUSB A to Bケーブルで接続し、LBP3100の電源を入れた上で、 Add Printerボタンを押します。
Local PrinterのCanon LBP3100/LBP3108/LBP3150 (Canon LBP3100/LBP3108/LBP3150)を選択します。
私はプリンター名は単に「LBP3100」と変更しました。
インストールしてあるPPDファイルを選択するため、MakeではCanon Incを選択します。
PPDは「Canon Inc LBP3010/LBP3018/LBP3050 r2c, 0.1.4 (en, en)」を選択します。
無事、LBP3100をプリンターとして追加することができました。
印刷してみる
例えばFirefoxだと、下図のように印刷することができます。画質も悪くなさそうです。
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