iPhoneから写真を大量に取り出すためだけにMac mini mid2011 (Macmini5,1)を維持している。 当然最新のmacOSであるmacOS Sonomaが利用できる訳ではない。 サポートされているのは、macOS High Sierraが最後である。
トラブルがあってMac mini mid2011が起動しなくなってしまった。 そこでインターネットリカバリーでmacOS High Sierraをインストールしようとしたのだが、復元サーバーに接続できないとのことでインターネットリカバリーはできなかった。 出荷時にインストールされていたMac OS X Lionも同様にインストールできない。 おそらく、既にインターネットリカバリーでmacOS High Sierra以前をインストールすることはできなくなっているのだろう。 しかし、私はこのMac mini mid2011しかMacは持っていない。手元にある機材のみでmacOS High Sierraを再インストールすることができたので、書いておく。
macOS Sierraのインストーラーを入手する
macOS Sierraのインストーラーとは言っても、DVD-RやUSBスティックに書き込めるイメージファイルではない。 あくまでmacOS上で実行するためのアプリケーションである。これは.dmgファイルでダウンロードできる。 なぜmacOS Sierraなのかと言うと、.dmg形式でダウンロードできるもののうちインターネットリカバリーのターミナル上でインストーラーUSBスティックを作れる最新のものだからである。
ダウンロードは、AppleのウェブページmacOS をダウンロードしてインストールする方法 (HT211683)からダウンロードできる。
「Web ブラウザを使う」の部分の、「Sierra 10.12」からInstallOS.dmg
をダウンロードすれば良い。
このInstallOS.dmg
をWindowsの7-Zip 23.01で展開する。その中に、Install OS
ディレクトリーの中にあるInstallOS.pkg
が目的としているインストーラーである。
macOS Sierraのインストーラーを展開する
私の持っているmacOSの環境というと、インターネットリカバリー画面から使えるターミナルだけなので、ここで作業できるように考える。
Windows上でUSBスティックをexFATでフォーマットし、そこにInstallOS.pkg
ファイルをコピーする。
Mac mini mid2011に接続したキーボードで、WindowsキーとAltキーとRキーを同時に押したまま電源を投入すると、インターネットリカバリーの画面になる。これは、macOS High Sierraのリカバリー画面であるはずである。 ここで、インストールする内蔵ストレージの設定と、インストール用のUSBスティックの作成を行う。
内蔵ストレージの設定として、HFS+のパーティションを作成する。macOS SierraはAPFSを扱えないので、macOS High Sierraのリカバリー画面でAPFS関係は全て消して、HFS+だけの環境にしておく必要がある。 ディスクユーティリティーで全て消して、HFS+のパーティションのみ作成すれば良い。
ここで、exFATでフォーマットし、InstallOS.pkg
を格納したUSBスティックを接続する。
私の場合には、/Volumes/Untitled
にマウントされた。
更にインストーラーにするUSBスティックも接続する。これは/Volumes/32GB
にマウントされた。
インストーラーにするUSBスティックがマウントされない場合には、ディスクユーティリティーでApple partitioningのHFS+のパーティションを作っておけば間違いないだろう。
以下のように実行して、USBスティックからインストーラーを起動できるようにする。
# cd /Volumes/Untitled # pkgutil --expand-full InstallOS.pkg OSInstaller # cd OSInstaller/InstallOS.pkg # mv InstallESD.dmg Payload/Install\ macOS\ Sierra.app/Contents/SharedSupport # plutil -replace CFBundleShortVersionString -string "12.6.03" Payload/Install\ macOS\ Sierra.app/Contents/Info.plist # cd Payload/Install\ macOS\ Sierra.app/Contents/Resources # ./createinstallmedia --volume /Volumes/32GB --applicationpath /Volumes/Untitled/OSInstaller/InstallOS.pkg/Payload/Install\ macOS\ Sierra.app
ここで、2行目から4行目は、OpenCoreのLegacy macOS: Offline Methodのページを参照した。
ここで、5行目は、qiitaの「macOS Sierraのインストール 用 USBメモリ作成方法の落とし穴」のページを参照した。
macOS Sierraをインストールする
Altキーを押しながらMac mini mid2011を起動させると、起動するデバイスやパーティションを選択できる。そこで「Install macOS Sierra」を選択する。 念のためターミナルで以下のように実行して時刻を合わせておいた上でインストールを継続する。
# ntpdate time.apple.com
今回作成したインストーラーUSBスティックでは、GUIでインストールしようとすると、整合性に問題があると言われてインストールをすることができない。
コマンドラインでインストールすればそのようなエラーにはならないので、以下のように実行してインストールする。
内蔵ストレージが/Volumes/macOS
にマウントされている。
# installer -pkg /Volumes/Mac\ OS\ X\ Install\ DVD/Packages/OSInstall.mpkg -target /Volumes/macOS
これで、macOS Sierraをインストールできる。その後に、macOS Sierra上でmacOS High SierraのインストーラーUSBスティックを作成し、それを使ってクリーンインストールすれば良い。