SONY WH-1000XM6をBluetooth LE Audio LC3コーデックをサポートしたBluetoothトランスミッターFlooGoo FMA120と一緒に使ってみる

SONYのWH-1000XM6というヘッドホンを持っている。 これはBluetooth接続のヘッドホンで、通話用のマイクも搭載されている。 もちろんclassic BluetoothのHFPとかで、この通話用のマイクは利用できるのだが、 コーデックがSBCであり、音質は良くない。 もちろん、SBCで達成することのできる最高の音質になっているとは思うが…。

一方で、Bluetooth LE Audioもサポートしていて、LC3コーデックによる 通話も可能なことになっている。 ただ、これがHFPでLC3を使う拡張があったと思うので、それを使っているのか、 あるいは、LE Audioには独自のマイクを扱うプロトコルがあるのかは、 全く理解できていない。

通話をせず、本当にヘッドホンとして音を聞きたい場合であれば、 A2DPを使えば良い。WH-1000XM6では、SBCだけでなくAACとLDACがサポートされているので、 AndroidのスマートフォンやAmazon Fireタブレット、iPhone、Windows 11 PCでも 良い音質で音を聞くことはできる。 ただ、ビデオを見ている場合には、基本的には音は遅延する。 LC3の場合には、音の遅延は小さくできることになっているはずである。

私の手元にあるデバイスで、LE Audioをサポートしているものはないので、 LC3を使った場合の音質や遅延について体感できずにいた。

LE Audioは何年か前のBluetooth 5系統の仕様で定められているはずで、 多くのBluetoothホストコントローラーはそのバージョンのBluetoothの 仕様を実装済みのはずである。 ただ、LE AUdioはA2DPのように後からBluetoothスタックに付け足してサポートできず、 Bluetoothをスタックに大きく手を入れないと実装できないと 聞いた気もする。 そのせいかは分からないが、LE Audioが使えるようになるUSB接続の Bluetoothドングルというのも売られているようには見えない。 Bluetooth 5.4対応のBluetoothドングルというを買ってみたが、LE Audioをサポートしてはいなかった。

では何が売られているかと言うと、種類数は少ないのだが、トランスミッター と呼ばれる機器が売られている。 これは、USBでPC等に接続するデバイスで、PCで動くOSからは、 USB Audio classのデバイスとして見え、そのトランスミッターが独自に LE Audio機器とペアリングするというものである。 LE Audioの登場する前から、種類数は少ないが、こういうデバイスは売られていて、 私もCreative製のBT-W3を持っている。 だが、BT-W3はSBCとAptX Low Latency、AptX HD、AptXしかサポートしておらず、 私はAptX系のコーデックを利用するBluetooth機器は持っていないので、あまり役立てることはできなかった。

LE Audioをサポートするトランスミッターというのは数少なく、 どれもQualcommのチップを使っているようである。 Eppfun製のものは日本でも入手が容易で、比較的安価であるようだが、 ヘッドホン側もQualcommのチップを使っていないと、接続できないという コメントをどこかで見た気がする。

SONY WH-1000XM6がどのようなチップを使っているのか分かっていないが、 前世代のWH-1000XM5はXtensaのチップを搭載していたような気がする。 少なくともQualcommのチップが利用されていると期待できないように思われる。

と言うことでWH-1000XM6をサポートしていると明確に書かれているFlooGoo FMA120を購入してみた。 Amazon.comで購入すると、Amazon.co.jpより相当安く買えるので、Amazon.comで購入した。

結果としては、全く問題なくLC3コーデックで接続でき、遅延も気になることはなく、非常に満足している。 NetBSD/amd64-currentに接続したdmesgは以下のようである。 FMA120自体は、USB Audio Class 1.0のデバイスとして認識される。 FMA120の設定は、USB to RS-232Cコンバーターとして見えているデバイス経由で実施されるようだ。 Microsoft Storeでダウンロードできる設定アプリケーションは、これを使っているようだ。

ただ、このdmesgを見ると、FMA120もQualcommのチップを使っているようだ。 なので、EppfunのトランスミッターでWH-1000XM6をサポートできないという訳はなさそうだ。

NetBSD castella 11.99.3 NetBSD 11.99.3 (LEAFFOX1) #1: Wed Sep 24 11:21:54 JST 2025  ryoon@castella:/usr/world/11.99/amd64/obj/sys/arch/amd64/compile/LEAFFOX1 amd64 x86_64
(snip)
uhub10 at uhub1 port 1: Cambridge Silicon Radio (0x0a12) product 4010 (0x4010), class 9/0, rev 2.00/21.18, addr 3
uhub10: 4 ports with 0 removable, bus powered
uhidev6 at uhub10 port 1 configuration 1 interface 0
uhidev6: Qualcomm (0x0a12) QCC3086 USB Dongle (0x4007), rev 2.00/30.91, addr 4, iclass 3/0
uhidev6: 24 report ids
uhid17 at uhidev6 reportid 1: input=2, output=0, feature=0
uhid18 at uhidev6 reportid 2: input=2, output=0, feature=0
uhid19 at uhidev6 reportid 9: input=0, output=1, feature=0
uhid20 at uhidev6 reportid 23: input=0, output=1, feature=0
uhid21 at uhidev6 reportid 24: input=0, output=1, feature=0
uhidev7 at uhub10 port 1 configuration 1 interface 1
uhidev7: Qualcomm (0x0a12) QCC3086 USB Dongle (0x4007), rev 2.00/30.91, addr 4, iclass 3/0
uhidev7: 32 report ids
uhid22 at uhidev7 reportid 1: input=0, output=62, feature=0
uhid23 at uhidev7 reportid 2: input=16, output=0, feature=0
uhid24 at uhidev7 reportid 3: input=0, output=0, feature=62
uhid25 at uhidev7 reportid 4: input=0, output=0, feature=62
uhid26 at uhidev7 reportid 5: input=0, output=254, feature=0
uhid27 at uhidev7 reportid 6: input=12, output=0, feature=0
uhid28 at uhidev7 reportid 7: input=0, output=446, feature=0
uhid29 at uhidev7 reportid 8: input=446, output=0, feature=0
uhid30 at uhidev7 reportid 9: input=11, output=0, feature=0
uhid31 at uhidev7 reportid 32: input=0, output=0, feature=255
uaudio0 at uhub10 port 1 configuration 1 interface 2
uaudio0: Qualcomm (0x0a12) QCC3086 USB Dongle (0x4007), rev 2.00/30.91, addr 4
uaudio0: ignored descriptor type 11 subtype 5
uaudio0: audio rev 1.00
audio2 at uaudio0: playback, capture, full duplex, independent
audio2: slinear_le:16 2ch 48000Hz, blk 11520 bytes (60ms) for playback
audio2: slinear_le:16 1ch 48000Hz, blk 5760 bytes (60ms) for recording
spkr3 at audio2: PC Speaker (synthesized)
wsbell at spkr3 not configured
umodem0 at uhub10 port 1 configuration 1 interface 5
umodem0: Qualcomm (0x0a12) QCC3086 USB Dongle (0x4007), rev 2.00/30.91, addr 4, iclass 2/2
umodem0: data interface 6, has CM over data, has break
umodem0: status change notification available
ucom1 at umodem0 portno 2

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