Windows 11でwgetを使ってhttpsなウェブサイトから情報を取得する

Windows 11でhttpsなウェブサイトから情報を取得したいのだが、ウェブ上にある多くの古いwgetのWindows用のバイナリーは、TLS 1.2以降に対応しておらず私の接続先には利用できなかった。 また、このwgetを動かす環境は、ユーザー認証付きのHTTPプロキシーサーバーを経由しないとイントラネット外のウェブサイトへ接続することはできない。 このような状況でWindows 11のマシンでwgetを利用する方法を書いておく。

wgetのバイナリーを入手する

Windows binaries of GNU Wgetで公開されているwgetバイナリーは、新しいTLSのバージョンにも対応していた。 他にもおそらく使えるバイナリーを配布している所はあるかもしれないが、具体的には確認していない。

具体的には、バージョン1.21.4のバイナリーをダウンロードして利用した。

設定値をファイルに格納する

ユーザー認証付きHTTPプロキシーサーバーを利用する必要があり、これらを毎回コマンドライン引数として入力するのは煩雑になる。 また、パスワードをコマンドライン引数として与えるのも、パスワードが画面上に表示されてしまい、うれしくない。

ということで、設定値はwgetrc.txtというテキストファイルに予め記入しておくことにした。 その内容は以下のようにした。

> type wgetrc.txt
use_proxy=on
http_proxy=http://10.1.1.1:8080/
https_proxy=http://10.1.1.1:8080/
proxy_user=(YOUR USERID)
proxy_password=(YOUR PASSWORD)
check_certificate=off

ここで、check_certificate=offはTLS証明書のチェックを省略している。 これは良い習慣ではない。

実行例

このwgetrc.txtファイルを使いつつ、ウェブサイトから情報を取得するには、以下のようにすれば良い。

> wget.exe --config=wgetrc.txt -nc -r https://www.ryoon.net/

MetabaseをOracle databaseへクエリーするAPIサーバーとして利用する

Oracle databaseに各クライアントPC上のMicrosoft Excel VBAからアクセスしようとすると、Oracle Instant Clientのインストールが必要になる。 ODBC経由だとデータソースの設定が必要になり、皿に初期設定は手間がかかるが、Excel VBAからアクセスする程度であれば、ADO DB経由でも問題ない。 この場合には、tnsnames.oraに接続先を設定する必要はなく、接続文字列に直接接続先を記載すれば良いので、とりあえずOracle Instant Clientをインストールさえして置けば良い。 ただ、Oracle社の用意しているOracle Instant Clientのインストーラーは冗長かつ何をしているか分かりにく、インストールに失敗するとインストーラーはまた別のディレクトリーにインストールしてしまうので、同じ緩急を作るのも面倒だ。 これについては、必要なファイルと処理のみを解析して抜き出したWindowsバッチファイルを用意しているので、個人的には解決はしているが…。

とは言っても、あくまでWindowsバッチファイルであり、環境変数の設定は手作業でするようになってもいるので、インストールには手間がかかる。 そもそもOracle Instant Clientをインストールしない方法を探していた。

過去にはJRubyからJDBCを使ってOracle databaseにアクセスし、結果を返すサーバーを書いてもいたのだが、利用者の認証や権限設定も欠けており、起動させておくのも面倒なので、実用できてはいなかった。

metabaseのドキュメントを読んでいたら、アクセストークンを発行して、それによりREST APIでMetabaseに登録されたデータベースにクエリーを投げて、その結果をJSONやCSV形式で返してくれる仕組みがあった。 今回は本来は使うべきであるセッションIDは使わないのだが、curlコマンドで試した内容を書いておく。

アクセスする例

最初に、前提となる情報を書いておく。

今回使うユーザーグループ権限のAPIキー
mb_XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX=
MetabaseサーバーのURI (都合上HTTPでしかアクセスできない)
http://mbserv.example.com/
アクセスするデータベースの番号 (JDBC経由で接続できるようにウェブUIで設定されている)
2

このMetabaseサーバーが設置され、クライアントのWindows PCが接続されているイントラネットは、イントラネット外の80版ポートに接続するにはHTTPプロキシサーバーを経由する必要がある。 だが、イントラネット内にあるMetabaseサーバーにはHTTPプロキシサーバー経由ではアクセスできないので、HTTPプロキシサーバーを掴ない設定も重要である。

グループの一覧を取得する。 これはOracle databaseには無関係なMetabaseの機能に対する問い合わせである。

$ curl --noproxy mbserv.example.com -H 'x-api-key: mb_XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX=' -X GET 'http://mbserv.example.com/api/permissions/group'

MBQL JSON形式でSQLのクエリーの結果を取得する。 結果はMBQLのJSON形式であり、前半にデータが、後半にコラム情報が収録されており、Excel VBAであればVBA-FastDictionaryVBA-FastJSONを使えば解析しデータを利用するのが幹太になる。

$ curl --noproxy mbserv.example.com -H 'x-api-key: mb_XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX=' -H 'Content-Type: application/json' -X POST 'http://mbserv.example.com/api/dataset' -d '{ "database": 2, "native": { "query": "select * from myschema.MYTABLE1" }, "type": "native"}'

CSV形式でSQLのクエリーの結果を取得する。

$ curl --noproxy mbserv.example.com -H 'x-api-key: mb_XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX=' -H 'Content-Type: application/x-www-form-urlencoded' -X POST 'http://mbserv.example.com/api/dataset/csv' -d 'query={ "database": 2, "native": { "query": "select * from myschema.MYTABLE1" }, "type": "native"}'

これで、Oracle Instant Clientをインストールせずに、クライアントWindows PCからOracle databseの内容を参照できるようになった。

MetabaseでActive Directory認証する際に、ユーザーIDでも電子メールアドレスでも、ログインユーザーIDとして使えるようにする

MetabaseでActive Directory認証するで書いておいたような設定でMetabaseを運用して来たのだが、Metabaseのログイン画面にはログインユーザーID欄に「ユーザーネームまたはメールアドレス」と書かれているためか、電子メールアドレスを入力してログインできないという苦情を言う人が多いという問題があった。 駄目だったらユーザーIDでログインできるか試せば良いと私などは思うが、そんな発想にならない人ばかりに囲まれている。 そもそもなぜそういう発想をすることができるかということも説明しても理解してもらえないので、ユーザーIDでも電子メールアドレスでもログインするしかないだろう。

と言うことで、Active Directoryの項目を調べてみると、以下のような項目が使えそうであった。

  • ユーザーIDはsAMAccountNameという項目であり、既に利用している。
  • ユーザー認証に利用できる電子メールアドレスは、userPrincipalNameという項目になっているらしい。
  • 電子メールアドレスはmailという項目にも格納されているらしい。

と言うことで、これら3つのいずれかをloginに使えば良さそうだ。

以下のように設定していたので、変更しよう。

(&(sAMAccountName={login}))

変更後は以下のようにした。

(&(|(sAMAccountName={login})(mail={login})(userPrincipalName={login}))(objectClass=user))

これで、電子メールアドレスでもユーザーIDでもいずれでもログインIDとして与えてもログインできるようになった。

NetBSDでFPAG開発を始めてみる(NVCとVHDL)

この記事は、NetBSD Advent Calendar 2025の25日目の記事です。

はじめに

本当は、PyRTLで書いたロジックをTnag Nano 9Kで動かしてみたいのですが、これから勉強しないといけないので、しばらく先に進めそうにありません。 と言うことで、22日目23日目でVHDLを使ってみていましたが、その際に試していたNVCというVHDLのシミュレーターについて、試したことを書いておきたいと思います。

NVCできること

NVCは、GHDLとは違い、合成をすることはできません。 あくまで、IEEE 1076-2008のほとんどをシミュレーションできるだけのようです。 VHDLについては、普通の利用者は、GOWIN FPGA Designerを使うでしょうから、良いシミュレーターであるだけでも大きな意味があるのだと思います。 NVCはJ-Core Open Processorでも使われているようです。

NVCをインストールする

pkgsrc/cad/nvcとして、nvc-1.18.2を用意しました。 この後にインポートしておきたいと思います。

と言うことで、以下のようにインストールすれば良いでしょう。

# cd /usr/pkgsrc/cad/nvc
# make install

これによって、/usr/pkg/bin/nvcがインストールされます。 これを使って、22日目のGHDLによるシミュレーション用のMakefileに、NVCを使ったパターンも追加してみます。 analysisをするにはanalysisnvcターゲット、elaborateにはelaboratenvcターゲット、シミュレーションを実行してvcdウェーブフォームファイルを得るにはrunnvcターゲットを用意しました。

$ cat Makefile
TARG=   counter

GHDL_FLAGS+=    -fsynopsys

.PHONY: analysis elaborate run clean analysisnvc elaboratenvc runnvc

analysis: ${TARG}.vhdl
        ghdl -a ${GHDL_FLAGS} ${TARG}.vhdl
        ghdl -a ${GHDL_FLAGS} ${TARG}_tb.vhdl

analysisnvc: ${TARG}.vhdl ${TARG}_tb.vhdl
        nvc -a ${TARG}.vhdl ${TARG}_tb.vhdl

elaborate: work-obj93.cf
        ghdl -e ${GHDL_FLAGS} ${TARG}
        ghdl -e ${GHDL_FLAGS} ${TARG}_tb

elaboratenvc: analysisnvc
        nvc -e counter_tb

run: elaborate
        ghdl -r ${GHDL_FLAGS} --time-resolution=ns ${TARG}_tb --vcd=counter.vcd --stop-time=1ms

runnvc: elaboratenvc
        nvc -r --format=vcd --wave=counter-nvc.vcd --stop-time=1ms counter_tb

clean:
        rm -f counter.vcd
        rm -f work-obj93.cf
        rm -f counter-nvc.vcd
        rm -fr work

ただし、nvcの生成したcounter-nvc.vcdファイルのタイムスケールはfs単位になっていて、変更ができないようです。

結果のvcdファイルをGtkWaveで表示してみる

Zoom-outしていくと、下図のように表示できました。 既定の表示は非常にZoom-inされた状態ですが…。

これで、GHDLだけでなくシミュレーションを実行できるようになりました。 検証も確実さを上げることができそうです。

NetBSDでFPAG開発を始めてみる(PyRTL) 準備編

この記事は、NetBSD Advent Calendar 2025の24日目の記事です。

はじめに

21日目から23日目にかけて、安価に購入したFPGA基板であるTang Nano 9Kのための開発環境をNetBSD上に整え、基本的にはNetBSDだけで開発できることを確認しました。 でも、合成や配置配線にもベンダー特有の最適化が必要であるかもしれません。 また、GOWIN FPGA Designerでは、A/Dコンバーターなどの各種ロジックやArm Cortex-M0やRISC-Vなどのアーキテクチャーのマイクロコントローラーを選択するメニューがありました。 どこまで無料で使えるのか分かっていませんが、そういうものはNetBSD上では使いようがなさそうです。

とは言え、私がVerilogを学んだり、Tang Nano 9Kを購入したのは、PyRTLという教育用のHDLを使ってみたかったためでした。 なので、そういう便利なものは使えなくても困りません。 PyRTLはVerilogのソースコードを出力してくれるので、21日目のように作業できれば、最適化は別として、それで良いとも言えます。

ですが、マイナーなものを使うと、世界で最初に困る人になってしまいがちです。 PyRTLにはJupyer Notebook/JupyeterLabで学べるような教材が用意されているのですが、少なくとも2025年12月28日現在lpkgsrc経由で利用できるJupyter Notebook/JupyterLabではエラーになりウェーブフォームをウェブブラウザー上では見ることができません。 せっかくPyRTLにはシミュレーション機能が内蔵されているのに、それを活用することができません。

おそらくNetBSDで作業しているから発生する問題ではないと思われるものの、pkgsrc/cad/py-PyRTL-0.12が壊れているのは困りますので、直すことにしました。

エラーの内容

まず、私は以下のようなJupyter NotebookとJupyterLabのパッケージをインストールしています。 これ以外にも関連するものはありますが、そこまで厳密である必要はないでしょう。

py314-jupyter-lsp-2.3.0
py314-jupyter_server_terminals-0.5.3
py314-jupyter_client-8.7.0
py314-jupyterlab-4.4.10
py314-jupyter_core-5.9.1
py314-jupyterlab-pygments-0.3.0
py314-jupyter_events-0.12.0
py314-jupyterlab-server-2.28.0
py314-jupyter_server-2.17.0

エラーの内容は非常に簡単です。ipynb-examples/example1-combologic.ipynbと言う教材のStep 2の3個目のセルのsim.tracer.render_trace(symbol_len=2)が失敗します。 エラーメッセージはJavascript Error: $ is not definedです。 FirefoxのDevelopert toolのconsoleには何も出ていませんが、Jupyter Notebook/JupyterLabの画面上に表示されるエラーです。

実を言うと、ipynb-examples/example1-combologic.ipynbは、examples/example1-combologic.pyから自動生成されています。 と言うことで、examples/example1-combologic.pyの内容をそのままJupyter Notebook/JupyterLabの1つのセルで実行して、どこがいけないのか調査することにしました。

エラーを調査する

ipynbファイルを保存すると、以下のような内容が含まれています。 この内容は元々のipynbにはありません。 どこかで自動的に挿入されているはずです。

(snip)
$.getScript("https://cdnjs.cloudflare.com/ajax/libs/wavedrom/1.6.2/skins/default.js"),
$.getScript("https://cdnjs.cloudflare.com/ajax/libs/wavedrom/1.6.2/wavedrom.min.js"),
(snip)

ここまで特徴的であれば、/usr/pkg/lib以下を探しても迷うことはありません。 pyrtl/simulation.pyというファイルに含まれていることが分かりました。 そして、この$は、jQueryが提供されることが期待されているようです。 ですが、私のインストールしているJupyter NotebookもJupyterLabも、ウェブブラウザー上でjQueryの$は提供していないようです。 少なくとも$.getScript関数は使えません。

どこかでjQueryのgetScript関数は使うなと言われたような記憶もありますが、最新版では使えるのかもしれません。 いずれにしても、PyRTLの教材を動かすのには十分なはずです。 と言うことで、jQueryを読み込んだ後に、問題の箇所を実行するようにすれば良さそうです。

エラーを修正する

オリジナルのPyRTL-0.12のソースコードで関連する箇所を以下に示します。 この中の1775行目からのjs_code変数の中身を書き換えれば良さそうです。 改めて見ると、問題の箇所は、当然ですがJupyter Notebook/JupyterLabで実行した場合のみ呼び出されるようになっています。

  1760          if _currently_in_jupyter_notebook():
  1761              from IPython.display import (
  1762                  HTML,
  1763                  Javascript,
  1764                  display,
  1765              )
  1766
  1767              from pyrtl.visualization import trace_to_html
  1768
  1769              htmlstring = trace_to_html(
  1770                  self, trace_list=trace_list, sortkey=_trace_sort_key
  1771              )
  1772              html_elem = HTML(htmlstring)
  1773              display(html_elem)
  1774              # print(htmlstring)
  1775              js_stuff = """
  1776              $.when(
  1777              $.getScript("https://cdnjs.cloudflare.com/ajax/libs/wavedrom/1.6.2/skins/default.js"),
  1778              $.getScript("https://cdnjs.cloudflare.com/ajax/libs/wavedrom/1.6.2/wavedrom.min.js"),
  1779              $.Deferred(function( deferred ){
  1780                  $( deferred.resolve );
  1781              })).done(function(){
  1782                  WaveDrom.ProcessAll();
  1783              });"""
  1784              display(Javascript(js_stuff))

Jupyter NotebookやJupyterLabを実行できるウェブブラウザーであれば、fetch関数やpromiseのサポートは持っているはずな気がします。 と言うことで、安直ですがfetchして実行する関数を用意し、jQueryを読み込んだ後に、promiseを使って、既存のロジックを実行させることにしました。

以下のようなパッチを作成して適用しました。

@@ -1773,6 +1773,16 @@ class SimulationTrace:
             display(html_elem)
             # print(htmlstring)
             js_stuff = """
+            function fetchAndRunScript(uri) {
+              return fetch(uri)
+                .then(resp => resp.text())
+                .then(scrtext => {
+                  const scrfunc = new Function(scrtext);
+                  scrfunc();
+                })
+                .catch(err => console.error('Cannot load script:', err));
+            }
+            fetchAndRunScript("https://cdnjs.cloudflare.com/ajax/libs/jquery/3.7.1/jquery.min.js").then(() => {
             $.when(
             $.getScript("https://cdnjs.cloudflare.com/ajax/libs/wavedrom/1.6.2/skins/default.js"),
             $.getScript("https://cdnjs.cloudflare.com/ajax/libs/wavedrom/1.6.2/wavedrom.min.js"),
@@ -1780,7 +1790,7 @@ class SimulationTrace:
                 $( deferred.resolve );
             })).done(function(){
                 WaveDrom.ProcessAll();
-            });"""
+            });});"""
             display(Javascript(js_stuff))
         else:
             self.render_trace_to_text(

こうすることで、ウェブブラウザー上でウェーブフォームを表示させることができるようになりました。 これで、FPGAに実装する前のチェックが簡単になります。

pkgsrc/cad/py-PyRTL-0.12nb1としてcommitしておこうと思います。

NetBSDでFPAG開発を始めてみる(VHDL) (2/2)

この記事は、NetBSD Advent Calendar 2025の23日目の記事です。

はじめに

22日目の記事では、GHDLを導入し、VerilogのプログラムをVHDLに移植して、そのウェーブフォームを見て、どうやら正しく移植できていそうということが確認できました。 今回は、YosysでVHDLで書かれたロジックを合成し、FPAGに反映してみます。

ghdl-yosys-pluginを導入する

ghdl-yosys-pluginをpkgsrc/devel/ghdl-yosys-pluginとしてインポートしました。 これを以下のようにインストールしておきます。 21日目を参照して、pkgsrc/devel/nextpnr-himbaechelとpkgsrc/devel/openFPGALoaderをインストールしておいてください。 pkgsrc/deve/yosysは、以下のようpkgsrc/devel/ghdl-yosys-pluginをインストールすると、依存パッケージとしてインストールされます。 もちろん、先にインストールされていても全く問題ありません。

# cd /usr/pkgsrc/devel/ghdl-yosys-plugin
# make install

合成と配置配線、ロードを実行する

元々のverilog用のMakefileを改造して、以下のようなVHDL用のMakefileを用意しておきます。

$ cat Makefile
BOARD=tangnano9k
FAMILY=GW1N-9C
DEVICE=GW1NR-LV9QN88PC6/I5

all: counter.fs

# Analysis
analysis: counter.vhdl
        ghdl -a -fsynopsys counter.vhdl

# Synthesis
counter.json: analysis
        yosys -m ghdl -p "ghdl -fsynopsys counter; synth_gowin -top counter -json counter.json"

# Place and Route
counter_pnr.json: counter.json
        nextpnr-himbaechel --json counter.json --write counter_pnr.json --freq 27 --device ${DEVICE} --vopt family=${FAMILY} --vopt cst=${BOARD}.cst

# Generate Bitstream
counter.fs: counter_pnr.json
        gowin_pack-3.14 -d ${FAMILY} -o counter.fs counter_pnr.json

# Program Board
load: counter.fs
        openFPGALoader -b ${BOARD} counter.fs -f

.PHONY: load analysis
.INTERMEDIATE: counter_pnr.json counter.json

また、なんとなくVerilogで小文字だった入出力のポート名称を大文字にしてしまったので、Tang Nano 9Kの端子への接続を指定するtangnano9k.cstファイルも以下のように作成しておきます。

$ cat tangnano9k.cst
IO_LOC "CLK" 52;
IO_PORT "CLK" PULL_MODE=UP;
IO_LOC "LED[0]" 10;
IO_LOC "LED[1]" 11;
IO_LOC "LED[2]" 13;
IO_LOC "LED[3]" 14;
IO_LOC "LED[4]" 15;
IO_LOC "LED[5]" 16;

ここまで来たら、実際にTang Nano 9KをNetBSDマシンに接続して、以下のように実行します。

$ make load

書き込みが終わると、Tang Nano 9Kの橙色のLCDの点滅が開始されます。 どうやらVerilogの場合と同様に2進数でカウントアップしてくれているようです。

これで、VerilogだけでなくVHDLでも、Tang Nano 9Kを利用できそうです。

でも私の本当の目的はPyRTLを使ってみることなのです。 これについても機会を見付けて試してみて、書いておきたいと思います。

NetBSDでFPAG開発を始めてみる(VHDL) (1/2)

この記事は、NetBSD Advent Calendar 2025の22日目の記事です。

はじめに

21日目では、Sipeed tang Nano 9KというGowin製のFPGAの搭載された基板を使い、Gowinの提供する開発ツールであるGOWIN FPGA Designner (21日目の記事ではGowin EDAと書きましたが、実際にインストールして起動してライセンスを割り当ててみたところ、こういう名前のソフトウェアでした)を使わずに、NetBSDだけでFPGAをプログラムしてみました。

その際は、Tang Nano 9Kで動くことが分かっているものでないと動作確認にもならないため、GitHubで公開されているlushaylabs/tangnano9k-series-examplesリポジトリーのcounterという例をpkgsrcに合わせて修正したものを使っていました。 この例はVerilogで書かれており、私が多少は分かるというのも良い点でした。

ただ、私はVHDLも体験してみたいと思っていました。 VHDLで書かれたものをyosysで扱えるものとして、ghdl-yosys-pluginというYosysのプラグインが用意されています。 まだ実験段階で扱えないVHDLの機能もあるのかもしれませんが、今回はこのghdl-yosys-pluginを使うために、VHDLでcounterを書き直して、シミュレーションを実行したいと思います。 明日は、Tang Nano 9Kをプログラムして、実際に動かしてみたいと思います。

VHDLを学ぶ環境を作る

VHDLのシミュレーションをするには、GHDLNVCが使えそうです。 ただ、今回はghdl-yosys-pluginを使うつもりですので、GHDLを使うことにしました。 GHDLは、pkgsrc/cad/ghdlとしてNetBSD上でも利用できます。 以下のようにインストールすれば良いでしょう。

# cd /usr/pkgsrc/cad/ghdl
# make install

これによって、ghdlコマンドを利用できるようになります。 実際の使い方は、後ほど試して行く中で探って行きたいと思います。

Verilogで書かれたcounterをVHDLに移植する

ところで、私は全くVHDLを知りませんでした。 ただ、かつてVHDLを学ぼうと思ったことはあったようで、図解VHDL実習 --ゼロから分かるハードウェア記述言語-- 堀 桂太郎著という本を持っていました。 第2版も出ているようですが、私が持っていて参照したのは無印のものです。 これで、VHDLでのロジック記載の基本的構造と、テストベンチの書き方を学ぶことができました。 もう少しちゃんと読めば、VHDLの良さを理解できそうです。 また、テストベンチの書き方については、GHDLのドキュメントも参考になりました。

Verilogで書かれたcounterは以下のようです。

$ cat counter.v
module counter
(
    input clk,
    output [5:0] led
);

localparam WAIT_TIME = 13500000;
reg [5:0] ledCounter = 0;
reg [23:0] clockCounter = 0;

always @(posedge clk) begin
    clockCounter <= clockCounter + 1;
    if (clockCounter == WAIT_TIME) begin
        clockCounter <= 0;
        ledCounter <= ledCounter + 1;
    end
end

assign led = ~ledCounter;
endmodule

これを逐一VHDLで書き直してみると、以下のようになりそうです。 VHDLでよくある書き方になっているとは思いませんが、一応後で実行するテストベンチの結果を見る限り機能は移植できているっぽいです。 第一印象としては、Verilogより固めに書かないといけないような印象を持ちました。

$ cat counter.vhdl
library IEEE;
use IEEE.STD_LOGIC_1164.ALL;
use IEEE.STD_LOGIC_ARITH.ALL;
use IEEE.STD_LOGIC_UNSIGNED.ALL;

entity counter is
        Port (CLK : in std_logic;
              LED : out std_logic_vector(5 downto 0));
end counter;

architecture behavior of counter is
        constant WAIT_TIME : integer := 13500000;
        signal ledCounter : std_logic_vector(5 downto 0) := "000000";
        signal clockCounter : std_logic_vector(23 downto 0) := "000000000000000000000000";
begin
        process(CLK)
        begin
                if(CLK'event and CLK = '1') then
                        clockCounter &t;= clockCounter + 1;
                        if(clockCounter = WAIT_TIME) then
                                clockCounter <= "000000000000000000000000";
                                ledCounter <= ledCounter + 1;
                        end if;
                end if;
        end process;

        LED <= not ledCounter;
end behavior;

VHDLで書いたプログラムをテストする

上で移植したプログラムが想定通り動くはずかは、FPGAに書き込む前にテストしておきたいです。 openFPGALoaderで書き込む際には、今の利用方法だとフラッシュメモリーに書き込むようなので、書き換え回数も上限があります。 図解VHDL実習でのテストベンチの書き方の説明と、GHDLのドキュメントにある実例を元に、Verilogで書く場合をVHDLに移植するイメージで書くと、以下のようでテストベンチは良さそうです。

$ cat counter_tv.vhdl
library IEEE;
use IEEE.STD_LOGIC_1164.ALL;
use IEEE.STD_LOGIC_ARITH.ALL;
use IEEE.STD_LOGIC_UNSIGNED.ALL;

entity counter_tb is
end counter_tb;

architecture behavior of counter_tb is
        component counter
                Port (CLK : in std_logic;
                      LED : out std_logic_vector(5 downto 0));
        end component;

        for counter_0: counter use entity work.counter;
        signal CLK : std_logic := '0';
        signal LED : std_logic_vector(5 downto 0) := "000000";
begin
        counter_0: counter port map (CLK => CLK, LED => LED);

        process
        begin
                CLK <= not CLK;
                wait for 1 ns;
        end process;
end behavior;

また、counter.vhdlも待ちサイクルがテストするにはあまりに長いので、以下のように3回のクロック立ち上がりで次のLED店頭パターンになるように書き変えておきます。 おそらく、こんな改造をすることなくテストする方法もあってしかるべきだと思いますが、分かっていません。

$ cat counter.vhdl
library IEEE;
use IEEE.STD_LOGIC_1164.ALL;
use IEEE.STD_LOGIC_ARITH.ALL;
use IEEE.STD_LOGIC_UNSIGNED.ALL;

entity counter is
        Port (CLK : in std_logic;
              LED : out std_logic_vector(5 downto 0));
end counter;

architecture behavior of counter is
        --constant WAIT_TIME : integer := 13500000;
        -- 3 is only for testbench
        constant WAIT_TIME : integer := 3;
        signal ledCounter : std_logic_vector(5 downto 0) := "000000";
        signal clockCounter : std_logic_vector(23 downto 0) := "000000000000000000000000";
begin
        process(CLK)
        begin
                if(CLK'event and CLK = '1') then
                        clockCounter &t;= clockCounter + 1;
                        if(clockCounter = WAIT_TIME) then
                                clockCounter &t;= "000000000000000000000000";
                                ledCounter &t;= ledCounter + 1;
                        end if;
                end if;
        end process;

        LED &t;= not ledCounter;
end behavior;

ghdlコマンドはステップを積み上げて実行しないと、VCDウェーブフォームファイルを得られません。 以下のようなmakefileを使って、make runと実行すれば、VCDウェーブフォームファイルを正常に得られると思います。 得られたVCDウェーブフォームファイル (counter.vcd)は。pkgsrc/cad/gtkwaveで閲覧することができます。 3回のクロック立ち上がりで次のLCD点灯パターンになるので、6nsごとにLED[5:0]が変わっていることが分かると思います。

$ cat Makefile
TARG=   counter

GHDL_FLAGS+=    -fsynopsys

.PHONY: analysis elaborate run clean

analysis: ${TARG}.vhdl
        ghdl -a ${GHDL_FLAGS} ${TARG}.vhdl
        ghdl -a ${GHDL_FLAGS} ${TARG}_tb.vhdl

elaborate: work-obj93.cf
        ghdl -e ${GHDL_FLAGS} ${TARG}
        ghdl -e ${GHDL_FLAGS} ${TARG}_tb

run: elaborate
        ghdl -r ${GHDL_FLAGS} --time-resolution=ns ${TARG}_tb --vcd=counter.vcd --stop-time=1ms

clean:
        rm -f counter.vcd
        rm -f work-obj93.cf

23日目は、ここで移植したVHDLによるcounterをyosysで合成し、nextpnrで配置配線し、FPGAをプログラムして、動作を確認してみます。

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